my Output

彩田夏鈴と申します。超個人的な事を書き、妄想するブログです

爆裂SESに転職しました。初日編

タイトル通り

止めろと言われるIT下僕

SESに転職しました。



ええ。分かってます。だけどねお母さん。僕の前職は美容系の販売です。Web系自社開発のホワイト企業が存在することは、分かってます。お母さん。


そんな白い会社には

面接に全く受からねぇです。

書類通ったって、「なんで美容系からITなの?」からの「う〜ん、未経験はウチは募集してないんだよね!」のパターンありがとう。

ニートに雨の日の午前中の面接とかドSかよ。好き。



あれよあれよと一年ニートし、社会不適合者に片脚突っ込んだ私を引き上げてくれるのは、天下のSES様だけだったのです。



文系未経験アラサーニートでも3社内定貰えましたよ。流石SESだわ、と自尊心低く捉えてみる。

この話は、また後ほど。




未経験で入社したその日



ドキドキしたブラウス



ドアを開けると




「あ、急に会議入ったから、どっかで待ってて」



え。。


どっかってどこですか?

Where am I going now?(文法知らん)



扉の奥

机に向かい合う男梅



居場所の無い私




ねえ普通初日に放置しますか?酷くない?

この会社に待つ場所あるの?知らねーよ何だよチクショーめ、と、廊下にあった適当な椅子で待つ可哀想な私。あと5歳若かったら黙って帰って居たであろう。


ああ5年の月日の長い事よ。




見知らぬ社員の誰かか、他社の何方かが幾人も通り過ぎる。



その度に、この人は廊下に座って何してんのって顔で見てくる。私は俯く。

スマホでゲームする訳にもいかないじゃないか。だって初日だぜ今日。自社の誰かに見られたら、いくらアラサーニート上がりでも、恥ってもんがある。




現代において、ただ「待つ」という行為は非常に困難だ。



黒澤映画の農民なら、雨が降れば羅生門で雨宿りをし、ただ「待つ」んだろうけど


私は黒澤映画には出て無いし、役者でもない。


彼が令和時代の映画を撮ったならスマホくらい役者に持たせるであろう。



農民になり損ねた私は、ただ廊下の床を眺めて、その様を社会適合者達が少し離れて通る。


彼等は正しく働き満員電車に揺られ日本国に税金を収め消費社会に貢献して暮らす立派な国民だ。


農民だってそうだ。田畑を耕し耐え難きを耐え年貢を納めているっていうのに。


それに比べて私は昨日までニートで、親に家賃を払ってもらい生活費をもらい、親の脛を齧り、親の老後の蓄えまでもアテにし、大した消費もせず、年金は控除してもらい、挙げ句の果てに祖父母にお小遣いをせびる。そんな人間には廊下がお似合いさ。そんな心の声が聞こえたような気もする。



心が冷たく凍る。

シベリア鉄道で裸でくるみ割り人形を踊っている気分だ。それくらい惨めで辛かった。



私はシベリアで待った。

吹雪の中を裸で踊って待った。



実質的には1時間程度だろうから、体感的には3時間だったとお伝えしたい。



なにせシベリアなのだ。

指先は凍傷だ。

もうトゥシューズは履けないさ。




「お待たせ」


初日に出勤してから何の生産性もない中途採用者に、男梅Aは言い放った。


「今月中に資格取ってよ」


そして分厚い本を一冊渡され、机とPC(かなり古い)があるだけの小部屋に座らされ、男梅は退室した。


資格。。この本だけで。。

この小部屋を教えてくれてれば、シベリアでバレリーナにならずに済んだのに。



渡された本をパラパラと読み、ネットサーフィンをし、定時きっかりに退社をする。


そんなグレーブラックな一カ月を予感した。








お給料を貰って一カ月も資格の勉強出来るなんて有難いと思え!



そう思いたいけれど、心がシベリアで迷子になってしまったのだ。